【映画を見た】〜ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章〜
三池監督は原作を読んだ事があるのか?
そう問いかけたくなる作品だったよ!
映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』公式サイト
※以降、ネタバレを含みます
- クソみてーな導入
- 貧弱貧弱ゥ!な体型の伊勢谷承太郎
- 吹っ飛ぶ山田。ここは笑うべきだったのか?
- 次作確定でもないのに続編を匂わせるラスト
- 本当にクレイジーなのは監督というスタンド
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クソみてーな導入
スクリーンにおなじみの東宝のロゴが映し出される。配給会社のクレジットが表示され、
いよいよ作品がはじまる。このワクワク感、今覚えば全編通してこれがマックスだったよ!
画面は夜の一軒家、明かりもついていない部屋の中で、誕生日ケーキの蝋燭が部屋を照らす。
口を塞がれ手を縛られた女とおぼしき人物が、必死で助けを求めている。
テーブルに座り、オムライスをほじくり回している山田孝之。
邦画独特の、謎めいた暗い導入だったんだけど、「あれ、俺間違えてサスペンスホラー系の作品を選んだっけ?」そう思わざるをえないような導入、そして暗すぎてよく見えない画面。クソかな?
俺の知る限りジョジョはそんな作品ではなく人間賛歌のドラマだし、こんな導入もないのね。
色んな映画を見てきた中で培った「あ、これアカンやつやセンサー」がバチクソに反応したよね。
三池監督は着信アリをもう一度撮ったことでこういう導入しか出来ない呪いにでもかかってしまったのだろうか?
このまま視聴していたら唐突に飴玉を口に入れられたの死体の一人や二人飛び出してきてもおかしくないな…。
そう感じながらも視聴を続けてみたよ。今思えばあそこで止めるべきだったね
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貧弱貧弱ゥ!な体型の伊勢谷承太郎
この空条承太郎、原作では長身ゴリマッチョの頼れるお兄さん的ポジションなんだけど、
悲しいけど伊勢谷友介では空条承太郎の空気感は出せなかったかな。
まず細い。悲しいくらい細い。なんなら頰こけてるからね。闘病日記でも書いてそうなフォルム。
そして服装が目も当てられないほどダサい。なんだその白いジャケット。白いズボン。アクセルホッパーかな?
なんだその帽子。どういうデザインなの?サンバイザー的なサムシングなん?
さらには演技感、声質がアンマッチ。個人的に、空条承太郎は低音の渋い声質が一番似合うと思うんだけど
伊勢谷友介のCOCO塾クソザコボイスでは女は決して濡れないよね?
そのような声質で「ちょっと待ちな!」と言う伊勢谷友介。
トータルで考えて完全にやばい人でしょ、それ。っていうかアクセルホッパーじゃん?
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吹っ飛ぶ山田。ここは笑うべきだったのか?
物語中盤、物語上最初の悪役として山田孝之は存分なやられっぷりを披露するのね。
原作でも、アンジェロ戦は東方仗助の初戦として完膚無きまでの叩かれっぷりだったんだけど
[山崎賢人(仗助)、瓶やゴム手袋の中にスタンドを閉じこめてシェイクする→本体の山田孝之右に左に吹っ飛ぶ]
この構図が地味で非常にシュールな光景だったのよ。
これがギャグテイストのシーンなら存分に笑えたんだけど、
山崎賢人「お前だけは許さねえ…!」ゴムテブクロシャカシャカ
なんだこれ?え、作り手的には笑って見るべきシーンではないよね…?
演出担当は何も言わなかったの?山田孝之はのたうち回るシーンの説明をされた時どう思ったんだろう?
「ここでは、瓶にスタンドが閉じこめられてシェイクされるので、のたうち回ってください」
「え、シェイクされて…のたうち回るんですか…?」
俺なら繰り返し聞くもん。え、それかなりザコくないっすか?って。
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次作確定でもないのに続編を匂わせるラスト
なんとか耐えに耐え、ついに物語はエンドクレジット寸前まで来ました。
これまでの中でも、明らかに重傷で足を引きずって歩いていた山崎賢人が次のカットでは普通に歩いていたり、覚醒した康一くん(神木隆之介)の髪型が明らかにダサかったり、「肉の芽」の設定をバッサリカットすることで虹村父が突然変異でバケモノになった事にされていたり、今作では拾うつもりのない伏線のバラまいたりなど、正直言ってやりたい放題だったよ。
それだけでも項目として書けるであろう内容が沢山あったけど…もうそれは水に流して割愛したい。
良いんだよ…結局綺麗に本作をまとめてくれたらそれで良いのだ…。
さて、クソみたいな最期のセリフを語り、いよいよエンドクレジットに突入。
するとその時、画面に突如ノイズのようなものが走り場面が変わる。
そこには3位ばかりの賞状、瓶に集められた爪、シャンジェルマンの紙袋から飛び出た手と握られた矢が映り、再びエンドクレジット。
いわゆる匂わせエンドってやつでした。
2017年に公開された今作だけど2019年2月現在続編製作決定のニュースは流れていない。
どうやら作品がこけてプロジェクトが凍結しただとかそんな噂。
悲しいことに虹村形兆が弟を庇い殺された際の謎の爆弾のスタンドは一生明かされることはないし康一くんのスタンド能力が判明することもない、山岸由花子のラブデラックスが発動する事もないしトラサルディーでランチを取ることもないしピンクダークの原作者と会うこともない。
俺は原作を読んでたけど、別に意地悪で映画で出てこなかった部分を書いているわけじゃないのね。
これ、ぜーんぶ今作で出てきたにも関わらず今作で説明されなかった部分。
おそらく次作で回収や披露するはずであった設定が、投げっぱなしジャーマンで終わってしまっている。
それが本作であり三池監督最大の責任はそこにあると、俺は思うわけです。
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本当にクレイジーなのは監督というスタンド
今作は、ジョジョの奇妙な冒険が好きな人こそ見ないほうがいいと思う。
おそらく視聴後はバイツァダストしたくなるだろうし何なら三池監督自身が本作製作前にバイツァダストしたいと感じているかもしれない。
それくらいファンや視聴者に失礼な仕上がりだし、正直映画館で見てたら返金を求めるレベルのクソさだったのね。クソ映画ならクソ映画らしく、それを全面的に打ち出すやり方もあったのに、
めっちゃドヤ顔で演出見せてくるやん。どや?ワイは天下の小池やぞ?ほらほらファンはこういう小道具に感涙やろ?みたいなんめっちゃアピールしてくるやん。うるせえ老害クソ邦画ジジイ!!
1800円払うのなら、ネットカフェのパック料金で本作の元となったジョジョの奇妙な冒険第4部を一気読みした方が満足度は高いと思う。アマプラか適当な動画サービスの契約をしてアニメ版の一気見視聴をするのもいいかもね。1800円なら一ヶ月は楽しめるし。
なァ三池監督、もう映画作るのやめようよ。
晩節汚す必要無いよ…。どんどん低くなるじゃんクオリティ…。
映画監督とは誰よりも原作をリスペクトして、何より原作以上に楽しく作ろうという意志が必要だよね。
だけど今作には原作への愛も無ければ、とりあえず次作に繋げれば良いというスタンスしか無かった。
だから興行収入も奮わないし、レビューも散々だった。
何がしたかったのか分からない、何を伝えたいかもわからない。メッセージ性のカケラもない映画って、それただの自己満足のオナニーだよ。そういうのは、個人撮影ビデオでやるべき。
もし時間に余裕がありすぎて、むしろ無駄な映画を見てみたい!というタイミングがあるのなら、本作視聴をオススメしたいかな。
俺全然辛口レビューとかしないし、しょうもない伏線回収とか後出し設定でも「深い!」とか言えちゃうタイプなんだけど、その俺がここまで書くって相当にヤベエ映画だよ、これ。
一周回って一見の価値アリかも。失った時間の責任は取らないけどね!
クソみたいな映画って、どこに需要あるんだろうと思ってたけど逆にそれ見た後だと世の中のほとんどの映画はアカデミー賞いけるやろこれって思えるからやっぱりクソ映画は必要
— サバト (@sabachaaan) 2019年2月2日