午前6時18分

you only live once.

「田舎のライター」とは悪いことか?

 

 

 

ライターって何?…ってなに?

 

「はじめまして、ライターやってます」

こうやって自己紹介すると

だいたい30人に1人くらいのペースで

「ライターって、火をつけるアレ?」

と言われます。

コロコロコミック並のギャグセンスかと問いたい、今日この頃。

 

田舎ではまだまだ横文字の仕事に慣れていない現状があって、

「佐藤くんは鳶職頑張っとるよ。サバト君は…ライター?とかいうのやっとるみたい。ようわからんけど大丈夫なんやろかね」

というおば様方の井戸端会議があります。

Webライターなんですよ、って言ったら知恵熱出るんじゃないですか、多分。

 

 

 

井の中の蛙になるな

 

田舎では実はWebライターという仕事がブルーオーシャンです。

どこに住んでいても戦えるのがWebライターの強みではあるけれど、

だからこそライバルは全国にいるわけです。

あれ、ってことは案外地元密着型のライターってイケるんじゃないか?と思って記事を書き始めたのが地元記事のはじまり。

もちろんこれにはこれでデメリットもあって、

たとえそれで成功しても井の中の蛙感が拭えないのです。

全国進出が難しいというか、「自分、地元ではちょっと名が通ってましてねへヘヘ」みたいなことを言ったところで都会勢からすれば「ほーん、で?」ということです。

漫画では大抵かませキャラになるそんな存在、最期はどうなるかお察しです。

 

そもそも井の中の蛙感がなぜ出てしまうかというと、

総じてライターのレベルが低いからです(僕も含めて)

ライターという職業がまだ開拓されていない環境で、

ネットで「副職で稼ごう♪」みたいな煽りを見た奥様方、意識高い系な感じの学生さんが、キチンとライターのイロハも知らず個人ブログみたいな内容を書き散らす。

その記事を地元の企業やお店が受け取る

ライバルが少ないからそれで許されるし、紹介された側も「Webライターって…こんなもんかぁ…まぁ、PRしてくれるだけいいか」と腑に落ちないまでも対価を渡す。

そんな中で、ふつーにイロハを知っててふつーにhtmlやcssで見やすい装飾をしてくれて、ふつーに紹介してくれるライターがいたら

それだけでもう「このライターはスゴイ!」となるわけです。

 

ポケモンGOが配信された時、「やべえ!ジムにサンダースいる!CP1400だって!!!超強そう!」ってなってたシチュエーションが、田舎のライター事情です。

だからこそ天狗になってしまって、誰かの記事を読んだときに

「へ、こいつはまだまだ俺には敵わねえな」

と見下してしまう。

記事を書くことは仕事だから、誰かと比較するのは自分のモチベーションのためにも大事だけど、誰かを見下すことは正しくありません。

ライターになりたい!って思った理由は、誰かを見下すため?違うでしょう。

 

 

 

■見下す、ではなく比較しろ

 

 

文章はイマイチだけど、写真の撮り方はすげえ綺麗だとか、

発想力を見て、おもわず「うわー!やられた!」ってなったり、

田舎というPRする企業やイベントが限られた環境下だからこそ気付かされることがあります。

誰かと比較するなら、自分に自信のあるステータスではなく

自分に自信のないステータスで比較すること。

田舎にだって、スゲェライターもいるんですよ、多分。

 

 

 

 

■で、お前のゴールはなんなんだ?

 

こういう質問をされた時、「発信するのを辞めないこと」とか「自分の文章で誰かを笑顔に」「私の名前を全国区に」みたいな返答をする人。少なくとも僕がそうでした。

こういう愛と勇気だけが友達さみたいな抽象的なゴール、もう辞めよう。

いや、良いと思うんです。

そういうマインドセットは絶対大事だし、ライターをやるなら「信念」として必要だと思う。

じゃあそのための道筋、過程はどのようにするんでしょう?

例えば、「私の名前を全国区に」をゴールとして

 

  • 田舎にいながら都会向けの記事も書く、バリバリこなして私の名前を全国区に
  • 田舎を全国にPRして、「都会に打ち勝つ田舎、というスタイル」で私の名前を全国区に

 

ゴールは同じでも、どんな過程があってどんな筋書きでという「ルート」が無いと、

ものすごーくフラフラとしたライター人生になります。

自分の夢を語るときは自分で塗装した道を「これが私の道ですよ」と紹介してあげること。

叶うかどうかなんて誰にもわからないし、叶わなくてもそれを咎める人なんていないわけで。

塗装された道があってはじめて「じゃあ、君に向けてこんな依頼してみたいんだけど、どうかな?」ってその道に合う依頼が来ることもあるんです。

だから絶対自分のゴールは過程も込みで語りましょう。

 

 

 

■この記事は、自分のために

 

上で挙げてきたことは、何を隠そう私のことです。

私は、子供のころから本が大好きで、引き込まれる文章を愛していました。

今まで自分が愛してきたように、愛される文を書こう。

そう思ってはじめたライターなのに、だれかと比較してばかりです。

重箱の隅をつつくように粗探しをしては、悦に浸る…自己保身に必死です。

それを誰かに指摘されたわけでも無いですが、自分を省みて、このままじゃいかんな、と。

どこにいても仕事ができるライターという「職業」は、どんなライターさんとも比較できる職業でもあります。

決して、天狗にならぬように。

 

そして私のような田舎へっぽこライターが二度と生まれぬように、と心から祈りを込めて。